12 March

ハッピードッグになるために【お散歩大作戦・その２】

すっかり間が空いてしまいました。
（今回はイラストなしの字だらけ記事です）。

さてさて、さっそくお散歩大作戦の続編にまいりましょう。

２．こっち向いてＧＯ作戦

前回ご説明した「電柱なりきり作戦」は、なかなかどうして時間がかかるのも事実。
戻ってきたパピーをほめて「別の方向へ」行くとなると、行き先やコースを決めて歩く場合、いつまでたっても目的地に着かないという事態になりがちです。

そこで、私が自己流で試している方法をご紹介しましょう。
即座に引っ張らなくなる・・・とはいきませんが、ダリの場合、少しずつ、「リードが緩んだ状態で歩く」時間が長くなってきたように思います。

STEP1：引っ張られたら止まる
これは電柱作戦と同じです。
リードは短く持って、リードに力がかかるのを感じたら、その場で停止。

STEP2：犬が止まって見上げるのを待つ
これも電柱作戦に似ていますが、犬自身が停まること、がポイント。
パピーが前に行こうと力んでいる状態から、自分の判断で停まってリードがゆるんだ状態になるまで、待ちます。
そして、さらにもうしばらく・・・・
パピーが、「どうしたの？」とこちらを見上げるまで、黙ってそのまま待ってみてください。

STEP3：目が合ったら、ＧＯ！
パピーが自分から目を合わせてきたら、「イイコ！」とほめて前へ歩き出しましょう。
前へ前へと進みたい犬にとって、停止状態が解除され、前に進めることがごほうびになる、というわけです。
また引っ張ったら、再びストップ。リードがゆるんでパピーが見上げたら、再び前進・・・と、これなら一応、前には進めますよね？

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【応用編１〜とびつき防止にも】

今回の「こっちむいてＧＯ作戦」で使うのは、要するに、アイコンタクトなのですが、この場合、名前を呼ばれて応えるのではなく、トレーナーさんの間でよく言われる「おうかがいを立てる」ためのアイコンタクトを、習慣づける意味もあります。

「わーい！お散歩だー！！」と、イケイケ状態で引っ張って歩いている時、たぶんアナタの存在は、パピーのアタマにはありません。
とくに、向こうから、気になる存在（ダリの場合は友達犬とその飼い主さん、およびかわいがってくれそうなあらゆる人）がやってきた時など、それまで上手に歩いていても、つい興奮して、相手にとびつこうと、２足歩行状態で引っ張りまくってしまいます。

そんな時も、できるだけこちらが早く気づいて、ピタッと停まる。
そして、この場合はオスワリをさせます。最初は毎回おやつを使ってもかまいません。
とにかく、大興奮の状況でも、なんとか理性のカケラを働かせて、「がんばってママ・パパの言うことを聞く」練習をしてもらうのです。

相手が近くまできて、興奮が高まってしまい、本犬もワケワカラン状態になる前に、ぜひ成功体験をさせてあげましょう。
興奮して難しいようなら、さらに相手との距離をとってください。
引っ張らず、オスワリで待てたら（最初はがんばって待っている間、じわーっとほめます）、相手に確認の上、「ＯＫ！」と許可を出して、ごあいさつさせてあげます。

最終的には、「オスワリ」と指示を出さなくても、自分の判断で「えーっと、ここはオスワリだったよね？」と、座ってこちらを見上げて確認する・・・というのが理想型。
そして、おやつのごほうびも、最終的には「ごくたまに」あげるだけで、座って待てるようになるのが目標です。


【応用編２〜他の犬やバイクに吠える場合も】
先日、トイプーのコテツくんのママ、Foxxさんが、こんなお悩みをもらしてくださいました。


最近コテツはますます犬相手の好き嫌いが顕著化し、気に入らない相手には唸ったり、吠えたり大変です。特に中・大型犬。
仔犬の頃無防備に近寄ったお相手に何度か吠えられた事がトラウマになっているのかも？単なるタカビー？臆病者？


コテツくん、バイクにも、同様に吠えてしまうのだとか。車との遭遇は、狭い道でもきちんと「マテ」ができる優等生なのですが・・・。

こんな場合も、お散歩中のアイコンタクトやオスワリは活用できます。
向こうから「いかにも苦手そうなタイプの犬」が歩いてきたら、吠えだす前に、アイコンタクト＆オスワリ。
ごほうび・・・それも特に大好物のおやつを目元に（犬のではなくアナタのですよ！）かかげて、アイコンタクトし続けます。
この場合は、名前を呼んでもかまいません。

とにかく苦手な犬でもバイクでもなく、こちらに注目し続けてもらうことがカンジン。
その間、ずーっと、静かに、催眠術（！）をかけるくらいのつもりで、「イイコだね〜」「マッテだよ」「おりこう〜」とほめ続けましょう。
ちょうど相手との距離が最短になるあたりで、ひときわ大きくほめて、こちらに集中させ、ごほうびを食べさせます。

相手の犬よりも、こちらに注意を向けさせてよーくほめることで、「ママのいうことをきいていれば大丈夫だよ」「そんなに恐いことではないんだよ」「あの犬は安全だよ」と伝え、パピーの「こわいかも」という気持ちを、ほめられたり、ごほうびをもらう「うれしさ」で打ち消してあげようというわけです。

ちなみに、くれぐれも叱らないでくださいね。
ますます興奮させることになりますし、「ダメダメ！」「コラッ！」が、「いいぞいいぞ！」とか「アイツをやっつけろ！」とか・・・激励に聞こえるかもしれません。
また、たとえ叱られたと解っていても、今度は「大きな犬」＝「コワイ」という印象が、「叱られた」体験でますますイヤなものになってしまいます。
「ママも怒ってるし、やっぱりアイツはイヤなヤツなんだ」とね。